移植外科

 当科では弘前大学腎移植チームや東北大学総合外科と連携して腎移植を行っております。
 何らかの原因で腎臓の機能が廃絶し生命維持が困難となった状態が末期腎不全であり、それに対する治療法は腎代替療法といわれ、血液透析と腹膜透析、腎移植の3つがあります。腎移植は全身麻酔手術や免疫抑制療法が必要とはなりますが、透析に比べ生活制限が少ないことや心血管合併症が少なくて予後が良好であることから、現時点での理想的な治療法といえます。
 腎移植には移植腎提供者(ドナー)の違いによって、健康な親族から2つある腎臓のうち1つを提供していただく生体腎移植と、脳死または心停止ドナーから提供を受ける献腎移植があります。

①生体腎移植
 健康な親族(6親等内の血族、配偶者と3親等内の姻族)から提供を受ける腎移植です。高齢であったり、肥満や基礎疾患がある場合にはドナーになれない場合もあります。

生体腎移植ドナーガイドライン:
https://cdn.jsn.or.jp/guideline/pdf/Donor-guidelines.pdf

②献腎移植
 約14,000人が献腎移植を希望して日本臓器移植ネットワークに登録(2022年12月31日現在)していますが、2022年に施行された献腎移植は198例であり、移植を受けた方の平均待機年数は約15年です。

 生存率に関しては、生体腎では1年生存率 99.3%、5年生存率 96.6%であり、献腎では 1年生存率 97.6%、5年生存率 92.5%です。また、生着率に関しては、生体腎では1年生着率 98.7%、5年生着率 93.0%であり、献腎では1年生着率 95.7%、5年生着率 87.8%となっています(日本移植学会 2023臓器移植ファクトブック)。

 一度腎移植についての詳しい話を聞いてみたい、といった相談のみでも受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。