明るい未来に向かう病院
八戸市立市民病院
事業管理者 今 明秀
2023年4月より病院事業管理者に就任いたしました今明秀です。就任の御挨拶をいたします。
1958年に開設された八戸市立市民病院ですが、様々な出来事があり、幾多の困難に遭遇してきました。三陸はるか沖地震、旧病院より田向の現病院への引っ越し、東日本大震災、バンコマイシン耐性腸球菌院内感染クラスター、そして新型コロナウィルス感染症と続きます。先輩らはこれを乗り越え、善悪を判断しながら、地域住民の健康管理に常に寄り添ってこられました。
私は入職して19年になりました。2023年4月1日付で熊谷八戸市長より、病院事業管理者の任を命ぜられました。
八戸市は少子高齢化、人口減少、医師偏在、薬剤師不足、看護師不足で医療とケアの課題が山積している地域でもあります。ここでは明るい話題を選んでお話します。
八戸市立市民病院は地域の急性期医療を支える基幹病院です。救命救急センターは、6000件の救急車を受けいれています。その充実度は大学病院を除けば東日本で4位の充実度評価です。
ドクターヘリとドクターカーの人口当たりの出動件数は日本一です。
脳卒中急性期血管内治療に長けている医師と技師でチームを作っています。県内唯一の血管内治療指導医が在籍しています。
周産期センターで年間1100件の分娩とそれに続くNICUが完備されています。地域分娩貢献率は全国2位です。
がん診療連携拠点病院として、呼吸器内科と呼吸器外科、放射線科が連携する肺がん治療、消化器内科と外科が連携する肝胆膵手術の件数は東北有数です。緩和ケア病棟は2020年に稼働開始しました。
循環器内科と心臓血管外科が連携する心筋梗塞のカテーテル治療のスピードは2016年に日本一を達成したことがあります。
総合診療科、漢方内科、耳鼻科が連携する、新型コロナウィルス感染症後遺症外来は、東北最大規模で運営しています。青森県一円から患者が受診してきます。
看護局ではパートナーシップ・ナーシング・システムを導入し看護師が安全で質の高い看護を提供することに努めています。全国の一流病院が導入している制度です。
看護師特定行為の養成コースが当院にあります。救急コースは国内11番目の認定です。さらに外科術後コースが2022年度に卒業生を出しました。
細菌検査室では、県内最大数5万件の新型コロナウィルス検査を行ってきました。
事務局では、13年連続黒字経営を支えてくれています。物品と薬剤購入の物流施設課、経営戦略室、レセプト対応の医事課、人材雇用の管理課の活躍が光ります。143億円の最大累積赤字を見事解消しました。
患者サポートセンターが2023年6月12日にオープンしました。ここには医師、看護師、薬剤師、医療ケースワーカー、栄養士、事務職の、多くの職種が所属しています。病院で必要な手続きや相談の多くが、ここで済んでしまうところです。
感染対策室では院内はもちろん、他の病院や施設へ出張して危機も救いました。
病院の業務には殆ど全てに作業手順を示すマニュアルが用意されています。医療安全管理室は各現場と密接に連絡をとりながら、院内のマニュアルを管理しています。
災害対策運営委員会では、地震津波災害と洪水災害に対する訓練企画とマニュアル作成を行っています。2023年10月14日に大規模災害訓練が企画されています。BCPマニュアル整備は県内で一番最初でした。
病院事業管理者として、患者にやさしい病院、職員にやさしい病院にしたいです。職場環境が良くなるようにアイデアを出し、実行したいです。13年間連続黒字に見合ったものにしたいです。
職員1500名と圏域の33万人の市民のご協力をよろしくおねがいします。