「恕いやり」の心を常に・・・
八戸市立市民病院
院長 水野 豊
このたび、2023年4月より八戸市立市民病院院長に就任いたしました。今後は市民の皆様への安全・安心な医療の提供と地域医療の発展のため微力ながら貢献していく所存です。
当院は1958年11月に前身の青森県厚生農業協同組合三八城病院から八戸市立市民病院として発足しました。その後1997年9月に八戸市田向地区に新築移転し現在に至っております。この間青森県南地域の急性期医療を担う中核病院として救命センターおよび一次脳卒中センターでは救急車の搬送対応をはじめドクターヘリ、ドクターカーによる病院前診療の導入など一次から三次救急まで幅広く、24時間365日診療にあたっています。
当院は急性期医療のみならず、地域がん診療連携拠点病院としてがんの三大治療である手術、薬物療法、放射線療法による集学的治療を行っております。その中で生じるがんに関する様々な相談の窓口としてがん相談支援センターを開設しています。更にがん治療に初期から緩和医療が関われるように院内にサポーティブケアチームが発足し、2020年9月に当地域では初めての緩和ケア病棟を開設しました。
地域医療支援病院として地域の医療機関と連携し、紹介して頂く患者さんの積極的な受け入れを行い、その後急性期を脱した患者さんの受け入れをお願いするなど地域一体となった医療を行っています。この様な支援を円滑に行うため2023年6月に患者サポートセンターを新たに開設し、地域医療連携室や入退院支援センターなど多職種の職員をセンターに集約して、予定入院患者さんの入院前から退院後までのあらゆることをこのセンターにて完結していく予定です。
近年東日本大震災や異常気象、新型コロナウイルス感染症など想像を超えた出来事が次々に起きており、不確実性が増す世の中になってきています。更に少子高齢化、医師の偏在など医療を取り巻く環境は厳しさを増していくものと思われます。しかしどのような状況になっても、医療人として目の前にいる患者さんの身になって尽くしたいという信念は変わることはありません。当院職員一同その「恕いやり」の心を常に抱き、地域の皆様により一層信頼される病院になるため研鑽を積むつもりでおりますので、今後ともご支援、ご指導を賜りますようよろしくお願い申し上げます。